フランソワーズ・サガンと森村桂

森村桂さんの訃報をヤフーニュースで知り 愕然としてフレッシュアイで記事を検索 その後はてなダイアリー内をキーワードで巡っている最中にサガンの死も知ってダブルにショック 2人とも大好きな作家さんです その著作もほとんどと言っていい程持ってます
サガンの作品はどれも 読み返す度に自分が揺れる場所が変わる 10代 20代 30代 心に沈み込む情景が全て違った 恋が微笑みから始り その同じ恋がタクシー代が払えない日常のために薄汚れる そんな現実をキリリと描き出す所が好きだった 人の心の優しさと醜さがワンセットに混在している 男と女の内面の底知れない魑魅魍魎が カラリと美しく描き出され その空気感に魅了されつつも読み終わると心のどこかにポツリと痛みが残る それが私にとってのサガン 
そして森村桂 そのストレートなもの言いが好きだった 人が目を背向けるところ 見ようとしないところを 彼女は彼女の純粋さ 無防備さ故にしっかりと描いてゆく ある意味自分をえぐって描いてゆく 最初の結婚と再婚の間に生まれた作品を 何度読み返した事だろう 強いもの 眩しいものから逃げてしまいたい時期 彼女の弱音に何度励まされた事か それだけに 自殺 というのは もし本当だとしたら大変残念です 純粋さは自分にも向かうもの こうあるべき自分とそうでない自分との狭間で疲れてしまったのだろうか 人の事なら許せるのに 自分の事だと許せない いいんだよ これで大丈夫なんだよ と自分で自分に言える事 それはこの世を生きてゆくのに大事な事なのかもしれない