尊厳死

http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200503230012.html
米連邦高裁、シャイボさんの延命再開を認めず

このニュースを聞く度に心がきゅっと痛い 世の中には正解のない命題がたくさんある これもそのひとつだと思う 私だったらどうするだろう 明確な答えが出て来ない そもそも 死とは何なんだろう 尊厳死とは何なんだろう 体の死と心の死 両親にとって娘の死は体の死 暖かい 呼吸をしている それだけで彼女はそこにいる けれど夫にしてみれば 彼の愛した女性はもうそこにはいない 心がなければそれは生きる屍 裁判で戦ったのがこの両者だった事も悲しい 両親の愛と夫の愛 その愛ゆえに両者の出した答えがぶつかってしまう やりきれない そしてそこに懸かっているのは 両者にとって掛け替えのない命なのだ
私の父は2週間心臓だけで生きた 暖かい彼の体に触れるだけで嬉しかった その耳元に語りかけた 奇跡を信じていた
そして父を火葬する時 顔を苦しそうに歪めた母に私は 大丈夫 父はもうこの中にいない と言った 今思えばこれは 精神的に繋がっていた娘としての台詞だったのかもしれない 愛する夫だったらどうだろう その体だとて愛しいはずなのに
尊厳死 私にはまだ答えが見つからない