佐野洋子

食事の時に読む本はたいがい森瑤子か林真理子と決まっている 彼女達の本は食欲を減退させないのが理由 おまけに何度も読んでいる安心感もある 昼食を取りながら久々に読んだ森瑤子の本「招かれなかった女たち」 本の最後に添えられた解説を読むうちに なんだかしんと惹き付けられる 立ち登ってくる雰囲気 独特な風景を持つ文体に魅了される 誰誰誰? と 興奮して名前をチェック あれ?と思う ひょっとしたらあの彼女だろうか 本棚を漁り始める私 あの彼女 とは 以前古本屋で何気なく買って来た1册の本の作者 何が飛び出してくるか分からない 私とはまるで違う方向から来る変化球に翻弄されながらも またそれが心地よい ズレ方が爽快 そんななんとも不思議な体験をした本だった そして見つけた 「私はそうは思わない」佐野洋子の本だった 森瑤子の本に寄せた解説も転載?されている これだ! パラパラめくるとこんな1文が目にぽんと飛び込んで来る

ぞっとしないと私は才能ないなぁと思うのである。私は狂気と才能の区別がつかない。
佐野洋子「私はそうは思わない」より

うんうんこの人だ 私の弱点は 何かに感動しても 感動した心の楽しさだけを覚えていて 何に感動したか覚えていない事(笑)